陰として豪雨

理系浪人生の日記→理系東大生の日記

弐拾漆話 人生は諦めるには短すぎる

もはや気分の浮き沈みさえない平穏な日々を送っています。元気です。多分。

声優がいろいろなメディアに積極的に出てくるようになり、また深夜帯アニメもかなり市民権を得ているイマドキ、声優志望の人って多いらしいですよね。いまどうなってるのかは知りませんが、かつて僕の同級生にもいました声優志望。養成所も代々木アニメーション学院とかいろいろあるみたいですが、実際に活躍できるのはごく一握りだと言います。まあそんな気がしますよね。何千人も若手声優(or見習い)がいるはずなのに、クレジットみたらたいてい、花○香菜、早○沙織、松○禎丞、中○悠一とか知った名前ばっかりですもんね。同じクールでもそういうことが頻発してますし。

僕は完全に消費する側なので声優業界の競争なんてどうでもいいっちゃどうでもいいのですが、僕(を含め多くの人)が東京大学という名の代々木アニメーション学院に入学することになるのかもしれないなと思いました。

苑田さんがよく言うこととして、大学に入ったら東大生ですらほとんどが数学や物理の意味がわからなくなってドロップアウトしてしまう、という話があります。しかし、外から見てる限り、ついていけなくなったという話はあまり聞きませんし(勉強大変という話はちょいちょい聞きますが)、理系の院進率が理学部工学部等では7割近いという話も聞きます。学部時点でそのままの意味で「ドロップアウト」した人が院進しようと思ったり、あるいは院進できるとも思えません。しかるにほとんどの人が「ドロップアウト」してしまうということは、ドロップアウトしているもとがもっと高い所だということでしょう。苑田さんは、東大理一の入学者の8割が入学時点のアンケート等で研究者や専門職に就きたいという希望をもっているという話もしていました。したがって、ほとんどの人は、研究の先端への道のりから「ドロップアウト」してしまうということなのかもしれません。

理系志望としては、漠然と「大学院まで行けば研究の先端に接触できる」と思っていましたが、そうではないということでしょうか。最近物理の先端の研究(といっても本当の先端ではなくおそらく数十年前の先端)の記事などを読んだりしたのですが、もちろん内容は全くと言っていいほど意味わかりませんし、そこにたどり着くまでにどれだけの勉強をしなければならないのか見当もつきませんでした。大学受験の数学物理化学程度で苦労しているのに、そして入試の結果等から見るに合格者を含むほとんどの受験生が苦労しているはずなのに、どうして先端に追いつくことができるでしょうか。

もちろんそこそこの数の人は、受験時点でかなり余裕があり、大学以降の内容にも耐えうる力をもっているのだと思いますが、僕がその中に含まれている自信がtends to zeroです。他の多くの理系生と同じように、就職カードとして東京大学理系を消化してしまう未来が見えてしまいます。

実際ノーベル賞ウルフ賞の受賞者や、東大京大教授等のエピソードをみるに、とても普通の人ではなく、だいぶ早い時点で頭角を現しているような人が多い気がします。浪人している人なんてもっての外かもしれません。僕の場合、浪人していなかったらむしろドロップアウトしていた自信があります。

苑田さんの授業は物理という学問への興味をとてつもなく引き起こしますが(曰く寝ている子は起こさなければならない)、同時にもっと勉強しなければ理解できないコトがたくさんあることもつきつけてきます。高校物理でアップアップしているのに、より高度になったらどんだけ勉強することになるのでしょうか。現時点では数学的には数Ⅲまでで対応していますが、数学的にも拡張されたらわけわからなくなってしまいます。

河合塾で周りをみても、大体の人は僕と同じくらい理解してなさそうなので、そういうことなのかもしれません。