陰として豪雨

理系浪人生の日記→理系東大生の日記

弐拾玖話 エンドレスエイト

夏休みもあと1週間、と言っても特に何をするでもない1週間なのだが、夏期講習もひと通り終わって一息つきたいところです。

夏休み中にしなきゃダメなこと
・数学の復習 ×
・図形分野の演習 ×
・力学の復習 ×
・波動の復習
・電磁気(夏期)の理解 ×
・理論化学の復習 ×
・英文法の復習 ×
・英文解釈の復習 ×
・英語表現の復習
・英単語暗記

粒子系の運動
粒子系の運動は重心運動と重心から見た粒子の内部運動に分けられる。重心運動量は外力によって変化し、内部運動量は恒等的に。重心K.E.は外力によって変化し、内部K.E.は外力と内力の作用で変化する。重心角運動量は外力によって変化し、内部角運動量は外力と内力によって変化するが、内力が中心力(相対位置ベクトルと力のベクトルが平衡)の場合その寄与はない。

2体問題
2体系の場合、重心の定義より、重心から見た2粒子の位置は常に逆側質量逆比の距離である。したがって重心から見た速度、加速度、およびその変化も常に逆向き質量逆比の大きさでなければならない。重心から見た位置と速度が常に逆向き逆比の大きさであるから、重心から見た運動量は逆向き同じ大きさ、K.E.は逆比の大きさ、角運動量は同じ向き質量逆比の大きさである。2粒子m(速度)、M(速度V)に対して、
μ:=mM/m+Mを換算質量と呼び、重心から見た相対運動のK.E.は、1/2{μ(v-V)^2}で表される。

エネルギー保存
斜面上のばね定数kのばねにとりつけられた物体mを考える。この斜面の傾斜角がθ、動摩擦係数がμであるとき、斜面を滑り降りている間のmの運動方程式は、x軸を斜面下方向正にとって、自然長の位置をx=0、mのx軸方向加速度をa、重力加速度gとすると、運動方程式:ma=mgsinθ-μmgcosθ-kxと立式できる。運動方程式右辺の第1項と第3項は運動のしかたによらず常に同型で表されるので、保存力と呼ばれる。第2項は摩擦力が運動の仕方に依存する定数であるので、一般には非保存力である。この運動方程式の両辺にvを乗じると、d/dt(1/2mv^2)=mgvsinθ-μmgvcosθ-kxvを得る。これを時刻t=0からTまで積分することにより、
1/2mv^2-mgxsinθ+μmgxcosθ-1/2kx^2=不変 というエネルギーの保存が求められる。このようなエネルギー積分で導かれる関係を一般にエネルギー保存と総称する。保存力の項から得るエネルギー項をPotential Energy(P.E.)と呼び、K.E.とP.E.の合計は力学的エネルギーと呼ばれる。上の例ではΔ(K.E.+P.E.)=摩擦力の仕事(=W<0)となるので、|W|を失われた(力学的)エネルギーと呼ぶ。

衝突
多粒子衝突の解析は難しいので、2粒子が撃力となる力を及ぼしあい進行方向を変える衝突現象を考える。一般には衝突の際発熱反応や爆発などで内部エネルギーの放出が起こるが、それは無視すると、外力が作用しないことより、重心運動量も内部運動量も保存。つまり運動量保存が成り立つ。また、相対速度の大きさvが衝突前後でε倍になるとすると、相対運動エネルギーが、ΔE=(1-ε^2)1/2×μv^2だけ変化する。ε=1のとき、衝突が弾性衝突であると言い、ΔE=0となる。それ以外の場合は非弾性衝突と言うが、特にε=0のとき、完全非弾性衝突と言い、ΔEが最大となり、2物体は一体となる。

(単純簡)単振動
単振動は、x方向の加速度をaとして、a=-ω^2(x-c)と表現できる運動のことであり、その運動の様子はほぼ完全に把握可能である。運動方程式微分方程式として解けば、その解は簡単にわかる。毎回非同次線型常微分方程式を解くのはアホのすることであるので、結果は常識にしなければならない。角振動数ωは初期条件によって変わらないので振動数と周期は初期条件によらず一定。振幅や速度は初期条件によって決まる。