陰として豪雨

理系浪人生の日記→理系東大生の日記

肆拾捌話 まだ受かってないけど河合本郷のレビューする其の弐

今回は授業について

1総論
河合の講師はあまり生徒と絡んできません。授業態度が悪い生徒にキレる講師もいなければ、生徒を当てて発言させるということも一部を除いてありません。これは何らかの指導があるのか、あるいはたまたまそういう講師が集まっているからなのかはわかりませんが、その点ゆるいです。遅刻や欠席にも驚くほど無関心な講師がほとんどで、授業終了間際に来るやつとかもちらほらいますし、テストだけ受けて解説は切ってる人もいました。講師のクセもそれほどなく、みんな同じような感じです。勝手なイメージ駿台は講師毎のこだわりが強く講師同士でさえ罵り合ったりいじり合ったりしている感じですが、河合の講師は他講師の話を一切ないと言っていいほどしませんし、全国共通の模範解答を批判したりすることもあまりありません。また、プリント配布が基本一コマ一枚までなので、プリントの情報量が少ないか、文字がめちゃくちゃ小さいかなのは不満です。プリントは潤沢に配布してほしいです。

2各論
通期講習映像等で授業を受けた人の感想を書きます。

〇英語

ジョナサン・マクフィ(通期コンプリ/東大英作文リスニング)
まず、彼はジョンと名乗るのでフェロー表もジョンとなっています。気を付けましょう。カナダに帰りたがっているカナダ人です。英語はめちゃくちゃゆっくり話すので、聞き取れないことはありえません。そして半分くらいは日本語で話してます。奥さんが日本人で彼女と子供たちの話をよくします。ハイパーのクラスではとても優しいのですが、他のクラスだとクレイジーなほどキレるらしいです。怒鳴られてほとんど来なくなったという人もいるそうです。コンプリヘンシヴEと東大英作文リスニングの担当で、当然ながら標準な英語を教えます。本人曰くほぼほぼ完璧な英語らしいです。ネイティヴの感覚に少しでも近づくために有用な授業です。モデルアンサーの英語も自然で勉強になります。なんでも英文学専攻だったらしく、何の仕事かはわかりませんが前職ではGoodな給料をもらっていたエリートらしいです。なんで講師になったんだろう。

久恒秀雄(通期長文/東大英語)
小柄で小太りのおじさんです。前期は音声を使って授業を進めますが後期は自分で読み上げます。黒板をたまにバンッと叩くのでビックリします。遅れてきた人にプリントを手渡すのでその度発言が止まったりします。なぜ遅れた人は自分でとっていく制度にしないのでしょうね。雑談で自分の中高の同級生や先輩のナントカさんの話をするのですが、全然知らない人なので誰だよってなります。中高が神戸ってことを異様に強調してくるので灘とか甲陽出身なのかもしれません。授業はいたって普通ですが、たまになんでそれが答えなんだかわからないまま授業が進みます。並び替え問題など丁寧に説明するときは丁寧なのですが、選択肢問題とか説明が天下り的で腑に落ちないこともありました。そういうときは質問しましょう。

瀬﨑友博(通期英文法)
なんか怖い。担当講師で一番若かったと思うんですが、一番怖かったです。顔が。目が悪い人特有の目つきの悪さが怖い。雑談はほぼないです。過去問で出ている表現等を調べて教えてくれます。プリントはコンパクトにまとまっています。

太庸吉(通期英文解釈/英文読解)
おじいちゃん。注目で知識、マクロの視点で文全体の把握をしていく。駿台でも教えてるらしい。プリントが多い。おそらく熱い男で良い人。かなりテクニックよりではあるので、古い感じはするかもしれない。訳語とかも結構厳しい堅い感じのチョイスをする。旧情報から新情報という情報展開の視点はなかなか面白かった。実戦でも1Bとかではかなり有用。たまに要約をしてくるように言う。その添削もしてくれる。

小山直哉(通期英語表現)
ヤバい人。河合で一番ヤバい。まず見た目がヤバい。そして授業もヤバい。わけわからんネタをはさみまくってくる。何より一番前の二人を「純情くん」と「純情ガール」という呼称をつけてめちゃくちゃいじる。彼らも彼らだけど。これは持論ですが、一番前に座ってる人たちってちょっとクセが強い傾向があって、一筋縄ではいかない可能性が高いと思うんだけどな。案の定彼らはなかなかの「大物」でした。教えている内容は真っ当なのでそこは安心できるんですが、授業中の動きがヤバい。東大で何勉強してたんだろうこの人。

高沢節子(講習)
この人の授業だけ異常に人気で講習全部締め切ってました。東大オープンのチーフらしいんですが、それだけでは説明できない程の人気。授業はめちゃくちゃ普通でした。別に何一つ悪い所はないけれど、そこまでひきつけられるほどのものかなあ?それが謎。

墺タカユキ(講習)
苑田を見慣れているのでこの人の変な髪型をもはや変だと思いませんでした。駿台をめちゃディスる。この人もいたって普通の授業でした。通期だと良さがわかるのかもしれないですが、講習だけ取った僕にはイマイチよくわかりませんでした。

玉置全人(映像)
もはやよく覚えてないんですが、勢いがすごい人でした。一文は一文で訳せみたいな過激派の英文解釈論で、よくあるSとかVとかの文型ゴリゴリの人でした。僕はもっと柔らかい英語の勉強が好きです。

〇数学

矢神毅(通期ハイパー)
ジャムおじ似のおじいちゃん。新海誠が年老いた姿にもたまに見える。駿台の講師的な激しさはないけど普通にわかりやすい。前期はプリント配布があったんですが、後期はなかったのでそれを当てにして板書省いてたら死にました。特に存在条件の問題が好きなのか解説が丁寧。

香坂季京(通期ハイパー)
関西のどこかはわからないが、聞きなれた関西弁とはちょっと違う関西弁を話す。結構計算ミス板書ミスが多い。全部簡単そうに解くので簡単に見えるがそれは錯覚であることもある。板書はほぼすべて答案のように書くので多少くどい。プリント配布多め。

大澤章一(通期ハイパー演習)
賢そうなおじさん。板書の字がでかい。上記二人に比べるとふわっとした感じの板書。実戦的に解く感じで解説するのが良い。「有名問題ですね」って言うことが多い。発想へのアプローチを大事にしているのがうかがえる。

波平伸夫(映像)
板書多すぎ。手が死ぬ。

〇国語

藤澤咲良(通期古文)
早稲田大学の院生。落窪物語かなんかを研究してたらしい。ちょっと変わった人。「黒四角お願いします!」「黄色丸お願いします!」など生徒にお願いしてくる。講師なんだからお願いしなくていいのに、と思った。雑談が脈絡ないのと微妙にオチがない。前の方の人に「失礼します」といって質問したりする。テキストの問題の解説が終わるとプリント裏面の補充問題をやる。単語の確認とかはしないので自分で勉強する必要がある。

髙橋佳典(通期漢文)
本人曰く中国思想が専門らしく、論説調の文章の方が得意らしい。模範訳にたまに異を唱えるが、模範訳が間違っているとまでは言わない。横浜元町中華街のあたりに住んでいるらしく、中華街の話と酒の話ばかりする。雑談が多めだが、どちらかというと授業に関係ある雑談をする。音大に独学で入ろうとしていたが、結局は早稲田に入ったらしい。漢和辞典を引くことを推奨している。中国学の大家の名前を挙げて「知ってる人いる?」と聞いてくることがあるが、知ってるわけないだろっていつも思う。伏線回収だと思われるものも結構あるので授業構成はかなり練られているのだと思う。

〇物理
苑田尚之(通期物理)
物理をやっている人間。受ける前のイメージだと、めちゃくちゃ特殊なことをやっている人でしたが、実際受けてみると正統的な物理で、特に違和感はなかったです。違和感と言えばサングラスと髪型ですが、それもすぐ慣れるので何の違和感もなくなります。苑田の物理は徹底的に丁寧で、あらゆる意味で初学者向きだと思います。物理が得点源になるかどうかは個人の努力次第ですが、正しいアプローチを習得するという意味では苑田の授業は大きな効果があると思います。とはいえ、他の物理講師をあまり知らないので、苑田しかないとまでは言えませんが。現役時に受講したかったです。僕はまだ物理現象が見えるようになっていないので、これで良かったのかまだわかりません。科学史とかはあまり興味ないといいつつ、結構科学史の話をします。ホイヘンスの原理をHuygens-Fresnelの原理と書いたりするこだわりもあります。また、素粒子論を専攻していたこともありそういう系統の「お話」もします。物理学における世界の対称性を重視しており、理論屋さんは最もsimpleな形で世界を書きたい人種だという話を繰り返しなされます。たとえば、高校電磁気をやる上ではあまり問題にはならないものの、苑田さん自身はいわゆるE-H対応の電磁気を好んでいると思われ、電磁気学は電磁場の学問とおっしゃっていました。あとたまに駿台(の講師と思われる誰か)をディスります。

〇化学
小川裕司(通期化学)
良い人。授業がとてつもなくゆるい。おそらく理論屋さんではないので、物理化学系の人の教え方とは何かが根本的に違う気がした。ハイパーは問題をひたすら解いていく感じなので、体系的なものは既に習得している前提で、その都度知識の修正をしていく感じだった。最終授業でシールくれた。良い人。